センター長挨拶-就任にあたって-

 平成28年4月1日付けで社会技術研究開発センター長に就任いたしました。本センターには10年ほど前にも在籍し、社会の問題の解決に貢献するというセンターの使命により適した組織となるよう、事業の進め方の大幅な見直しとその実施に取り組み、充実した経験をさせていただきました。今回、再び本センターの仕事に携わる機会を得ましたことを、心よりうれしく思っております。

科学技術の研究開発やその成果の活用を推進する組織は内外に多数ありますが、本センターは、世界的にもユニークな取組を行ってきました。それは、次の3点を明確に掲げ、実践してきたことです。第1に、社会の具体的な問題の解決、言い換えれば、社会的価値の創出を組織の目標として掲げました。

第2に、それを達成するために、研究者だけでなく、対象とする社会問題に関わりの深いステークホルダー(関与者)が参画し、協働することを研究開発の基本としました。研究者だけの取組では、社会の現実の問題の把握や、成果を活用した問題解決を十分行うことが困難だからです。また、社会の難しい問題を解決するには、当事者が主体的に取り組むことが不可欠です。

第3に、研究開発を行う上で、自然科学と人文・社会科学の両方の知見を活用することを重視してきました。東日本大震災の際の津波被害においても、災害の被害を軽減するためには、地震や津波の予測、建築物の耐震性の向上といった自然科学的な取組だけでなく、住民の避難行動や土地利用の制度といった、人文・社会科学の視点が不可欠な課題についても取組を強化していかなければならないことが改めて認識されたところです。

本センターがこのような歩みを始めて十年余が経った現在、上述した3つの方針は、内外の科学技術に関する政策や大規模な研究関係の事業においても取り上げられることが多くなりました。しかしながら、この3点をスローガンとして掲げるだけでなく、実行、実現することは容易ではありません。先駆的に取り組んできた本センターとしては、これまでの手法をさらに発展させ、その経験を発信していく使命があると考えています。

我が国の喫緊の重要課題として地方創生があります。その成功のためには、地域の住民等の当事者が主体となり、大学等の研究者が協力して、各地域の資源を活かした多様な取組を進め、持続可能な地域を創生していくことが必要です。本センターがこれまで蓄積してきた経験やネットワークを活かして、このような取組を積極的に支援してまいります。

社会技術研究開発センター長
岩瀬 公一

クイックアクセス

成果事例一覧
提案募集
進行中の研究開発領域・プログラム