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國領 二郎

所属
慶應義塾大学 総合政策学部
役職
教授
プロフィール

1982年東京大学経済学部卒。日本電信電話公社入社。92年ハーバード・ビジネス・スクール経営学博士。93年慶應義塾大学大学院経営管理研究科助教授。2000年同教授。2003年同大学環境情報学部教授などを経て、09年総合政策学部長。2005年から2009年までSFC研究所長も務める。2013年より慶應義塾常任理事に就任し、現在に至る。主な著書に「オープン・アーキテ クチャ戦略」(ダイヤモンド社、1999)、「ソーシャルな資本主義」(日本経済新聞社、2013年)がある。

近年、IoTを介したビッグデータ集積、収集されたビッグデータを活用した人工知能、さらには人工知能を搭載したロボットなどの情報技術の連鎖的で加速度的な進化が起こっています。そして、人間がコンピュータに対して優位だと思われてきた認知や文脈判断などにおいてまで、コンピュータが勝りはじめ、ショックをもって受け止められています。

出現しつつある大きな力に対して、社会的にその利便性に対する大きな期待がある一方で、その潜在的な負の側面に不安感が持たれるのはむしろ健全なことでしょう。確かに技術の力が人間に危害を与える方向に使われたり、暴走したりした時、その力が大きい分だけ被害も大きくなりえます。また、問題の現れ方が多様で、予測が難しいところも課題です。

私たちは、技術をめぐる多様なステークホルダーの間に、技術の萌芽段階から有効な対話を行うことで、情報技術を人間に真に貢献するものとして進化させることが可能だろうと思っています。また、逆に社会に向けて各種技術に関する情報提供(リスクコミュニケーションも含め)や技術リテラシー教育を進めることで、社会として技術を受け入れたり、活用したりする能力や意識も高めることも可能だと考えます。つまり人も技術も相互作用しながら変化を続けるものであることから、その双方への働きかけが可能であるというのが基本認識です。技術を社会的に配慮あるものにする努力と、人間の技術を活用する能力の向上の2つが合わさって、人間と技術が「なじんだ」状態を作ることができれば、技術開発と利用の相乗効果で、技術進化を加速させることにつながるでしょう。

私たちは、情報技術に関して、メリットや負のリスクをバランスよく評価し、技術開発や製品開発、あるいはそれらを実装していく際の社会的な意思決定にフィードバックするメカニズムが設計可能だと考えています。本研究開発領域では、情報技術を上流工程から人間を中心とした視点で捉え直し、制度と技術を協調的に設計していくための共進化プラットフォームの設計を推進していきます。