第9回社会技術フォーラム「将来の高齢社会に向けて私たちは何ができるか」開催報告


第9回社会技術フォーラム開催報告です。

第9回社会技術フォーラム
新領域に関する社会との対話
『将来の高齢社会に向けて私たちは何ができるか』

日時:平成22年3月15日(月) 13:00-16:40
会場:TEPIAホール(東京都港区)
主催:(独)科学技術振興機構 社会技術研究開発センター(RISTEX)
開催概要はこちら

内閣府発行の「高齢社会白書」(平成21年版)によれば、我が国の65歳以上の高齢者人口は、昭和25年には総人口の5%未満でしたが、現在22%を超え、5人に1人が高齢者、10人に1人が75歳以上です。3年後の平成25年には高齢化率が25.2%で4人に1人、25年後には3人に1人となり、世界でも類のない高齢社会が到来すると予想されています。
 "社会における、社会のための科学"をキーワードに、社会における具体的な問題の解決に寄与するための研究開発を推進する社会技術研究開発センター(RISTEX)は、この「高齢社会」をテーマにした新しい研究開発領域の設定を検討しています。
 今回のフォーラムは「高齢社会」について、解決すべき具体的な問題とはなにか、どのように取り組むべきかを、一般の方々と幅広く意見交換を行うために開催しました。


たくさんの方にご来場いただきました


有本建男

 3月15日、東京・青山のTEPIAホールには250名近くのご参加をいただき、満席となりました。私たちが未だ経験したことのない高齢社会に対する社会の関心の高さが伺えました。
 有本建男・社会技術研究開発センター長の開会挨拶の後、樋口恵子氏(NPO法人高齢社会をよくする女性の会理事長)の基調講演、小宮山宏氏(株式会社三菱総合研究所理事長)の特別講演が行われました。

挨拶を行う有本建男・社会技術研究開発センター長

樋口恵子氏

基調講演を行う樋口恵子氏

小宮山宏氏

特別講演を行う小宮山宏氏

篠崎資志

 その後、社会技術研究開発センター企画運営室長・篠崎資志より、高齢社会をテーマとする新領域の構想説明を行いました。

●当日配布した説明資料
高齢社会領域構想説明(2,050KB)
高齢社会領域概要(344KB)

構想説明を行う篠崎資志・社会技術研究開発センター企画運営室長

秋山弘子氏

進行の秋山弘子氏

 休憩をはさんで行われた会場のみなさまとの意見交換では、進行に秋山弘子氏(東京大学高齢社会総合研究機構特任教授)を迎え、飯野奈津子氏(NHK生活情報部長)、井上剛伸氏(国立障害者リハビリテーションセンター研究所福祉機器開発部長)、岡本憲之氏(NPO法人日本シンクタンク・アカデミー理事長)、辻哲夫氏(東京大学高齢社会総合研究機構教授)、永田久美子氏(認知症介護研究・研修東京センター研究部副部長、ケアマネジメント推進室長)、篠崎資志・社会技術研究開発センター企画運営室長と、メディア、機器開発、行政、社会システム研究、ケアの現場などバラエティに富んだ6名のコメンテーターが登壇。会場からの質問に対しさまざまな立場からの示唆に富んだ活発な議論が交わされました。


飯野奈津子氏

井上剛伸氏

岡本憲之氏

辻哲夫氏

永田久美子氏


会場のみなさまとの意見交換では活発な議論が交わされました


 意見交換終了後、有本建男・社会技術研究開発センター長の閉会挨拶によりフォーラムの幕が閉じました。
 ご来場いただいた皆さまには、長時間、本当にありがとうございました。
 新領域の研究開発プロジェクトの公募につきましては、当日配布した説明資料をご覧ください。

●当日配布した説明資料
高齢社会領域公募について(76KB)

ご来場いただいた方のご感想を一部ご紹介します(一部抜粋、修正あり)。
  • 樋口さんの基調講演の「人生100年時代」という主張に対応した新たな社会制度、仕組みの再設計を早くして欲しい。知的活動力は若者に劣らぬ力を持っていても、社会制度は発揮する余地を提供していない。
  • 新しい価値観をつくりましょうの視点は大事だと思う。既存の枠組みを超えたところの取組みに進んでほしい。元気(自立・自律)な人達が8割いて8割を維持できる仕組みになることを期待します。
  • 高齢社会、80%が健常者として、そのエネルギーをどう社会に還元するのか、そこが最大の問題です。 健常者が個別に生きられるシステムを作ることが大切。
  • 「社会」が基本的考え方のキーワードであると思う。但し、「社会」は定義も具体的に結びつけるにはあまりにも広範囲で捉えどころがない対象でもある。個人それぞれは多様性を備えているので、今回のようなフォーラムを通して、新しい視点を学ぶ場により活動のきっかけをつかめるように感じた。
  • 高齢化はすごい速度でやってくる。お金では解決できないと思う。家族制度が破壊してしまった現在、地域グループ(少人数)で家族に近い生活を築く必要があるように思う。
  • これからの研究の方向として、高齢社会を考えた町づくりがとても大切になると思っていました。町づくりにとても関心がありますので、実験の素材になるとか、研究の発表など、積極的にかかわっていきたいと思います。
  • 高齢社会を支えるネットワークに自治体、民生委員、自治会がある。これを生かす研究を取り上げていただきたい。
  • 高齢社会で、若者を含むすべての世代がそれぞれの立場で、何を考え、どう取り組むのか、社会的な仕組みを作ることが必要だと思う。ボランティア活動を含め、多くの高齢者が社会活動に参加していると思うが、どこまで対象を広げて考えるべきか、参加しやすい仕組みをどうつくるかが課題。また、若者の働く場、貧困の解消へ向け、健常な高齢者がその場を(機会)をどう提供できるかに関心がある。
  • 中身が濃くて、有意義なフォーラムでした。私は団塊の世代なので、自分自身のこととして、「将来の高齢化社会」をどう生きるか、考えてゆくための大きなヒントになりました。