OECDワークショップ<第1回>「社会問題の解決に資するイノベーションの促進に向けて」開催報告

OECDワークショップ<第1回>「社会問題の解決に資するイノベーションの促進に向けて」の開催報告です。







2009年5月25-26日、「社会問題の解決に資するイノベーションの促進に向けてWorkshop on Fostering Innovation to Address Social Challenges)」と題するワークショップを、経済協力開発機構(OECD)、科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発センター(RISTEX)、及び文部科学省の共催にて、OECD本部(フランス、パリ)で開催し、OECD加盟15カ国及び関連機関から約50名が参加しました。

このワークショップは、経済的価値の創出の視点から考えられてきた科学技術とイノベーションを、社会的・公共的価値の創出の視点からも考えることが重要であるとの共通認識を持つ国々が、自国の取組や課題を発表し、議論することで、今後の社会問題の解決や政策立案に役立てることを目的とするものです。
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OECD外観
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OECDエントランス
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主催者である日本・OECDを始め、ワークショップの趣旨に賛同したオランダ、ドイツ、ノルウェー、EC各国・機関(実行委員会)が、昨年より内容、構成について精力的に議論し、このたび開催の運びとなりました。総合議長は日本の原山優子 東北大学教授、各セッションの議長は実行委員会メンバーが務めました。
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会議前の事務局議長打合せ
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冒頭、有本建男 社会技術研究開発センター長が主催者挨拶を行い、その中で「21世紀において持続可能な国際社会を実現していくためには、科学技術が経済・産業の発展のためだけでなく、国際社会が直面している新しい様々な社会問題、すなわち地球温暖化、高齢化社会、貧困、感染症、犯罪等の解決のために相当な貢献をしていくことが重要である」と述べ、さらに「1999年世界科学フォーラムでの科学と科学的知識の利用に関する世界宣言(通称:ブダペスト宣言)から10年が過ぎた今、改めて「社会のなかの科学・社会のための科学」を考えることの必要性を強調しました。
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主催者挨拶を行う有本建男 社会技術
研究開発センター長(左)と岩瀬公一
文部科学省科学技術・学術総括官(中央)
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その後、岩瀬公一 文部科学省科学技術・学術総括官とAlan Marcus氏(世界経済フォーラム)が基調講演を行い、引き続き、社会問題解決に向けた研究とイノベーションの変化(セッション1);社会問題解決のための研究とイノベーションに対する障害(セッション2);科学と社会の協力・協働を促すステークホルダーの関与のための一連の手法(セッション3):社会問題の解決に資するイノベーションの実現と研究チーム形成のための一連の手法(セッション4);の4つのテーマについての各国の発表と議論が行われました。
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総合議長を務める原山優子 東北大学教授(中央)
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日本からはセッション2にて鎗目雅東京大学准教授がディスカッサントを務め、社会問題の解決には学術研究分野の改革が必要であり、大学・民間・公的機関が連携して制度の改革を図っていくことが重要であることを述べ、オランダ・ドイツからの発表に自らの視点で質問することにより、議論の深化・活性化をしました。
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発表を行う安藤二香 科学技術振興機構
社会技術研究開発センター アソシエイトフェロー
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またセッション4にて、安藤二香 社会技術研究開発センター(RISTEX)アソシエイトフェローが発表を行いました。安藤アソシエイトフェローは自らがRISTEXで担当する「犯罪からの子どもの安全」研究開発領域の活動事例を基に、研究開発には研究者のみならず、多様な関与者(ステークホルダー)の参画が大変重要であることを強調しながら、その手法や問題点に関する発表を行いました。
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ワークショップの様子
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グローバリゼーションが進展する現在、社会問題はますます多面的に広がりつつあります。その中で問題を解決するにあたって考慮すべきことは何かを考えていくことが重要です。本ワークショップでは、その解決策の足がかりとして、次のようなことが参加者の共通認識として得られました。すなわち、社会を不均質なものとして捉えることが肝要であり、それには自然科学的アプローチに加え、社会科学の観点が重要となること、また社会問題の解決に資する研究開発の推進にあたり、一連の革新的な手法の導入、及び適切な評価方法の開発が必要不可欠であることなどです。このような成果と共に1日半のワークショップは、盛会のうちに無事幕を閉じました。
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最後に関係者全員で
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このワークショップで取り上げられたテーマへの各国の関心も非常に高く、今回明らかになった課題について、解決に向けての方法論を抽出することや、将来への取組やあり方についてより深く検討するために、二回目のワークショップを11月9-10日に開催する予定です。またこれらのワークショップでの議論が、OECDが現在策定しているイノベーション戦略(2010年発表予定)へも貢献できることを期待しています。

本ワークショップの配布資料等詳細な情報については、以下OECD(英語版)サイトをご覧ください。
[当該OECDのワークショップ情報サイト(英語)]