OECDワークショップ<第2回>「社会的課題の解決に資するイノベーションの変革」開催報告

OECDワークショップ<第2回>「社会的課題の解決に資するイノベーションの変革」の開催報告です。




2009年11月9-10日、「社会的課題の解決に資するイノベーションの変革:Workshop on Transforming Innovation to Address Social Challenges」と題するワークショップを、経済協力開発機構(OECD)、科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発センター(RISTEX)、および文部科学省の共催で、OECD本部(フランス、パリ)にて開催いたしました。
主催者である日本・OECDをはじめ、運営委員国であるドイツ・ノルウェー・オランダ・EU各国・研究機関が熱心に取り組み、全体議長を原山優子 東北大学大学院教授が、各セッションの議長を運営委員国の代表が担当し、OECD加盟20カ国および関連機関から約70名が参加しました。

同年5月25-26日に開催された第1回ワークショップでは、社会イノベーションへの現状や取り組む意義、また障壁について理解を深め、政府やステークホルダーたちが研究やイノベーションを通じて可能となり得る社会課題解決への取り組みや手法についての議論が行われました。


フレーム
ワイコフ局長によるウェルカムスピーチ
画像7

冒頭、社会技術研究開発センター長 有本建男がウェルカム・スピーチを行い、現在の経済危機は前進するチャンスであること、今までの自由競争を基盤とする市場原理の限界を見極めた新たな行動規範の模索が始まりつつあること、人生の質を高め、異質かつ多様性に富んだ価値観を包容し、協調により社会的課題に立ち向かっていく社会を実現するためには、科学技術を駆使しつつ、社会的・公共的価値を重視した、問題解決を軸とした共進型アプローチを用いた新たな取り組みが必要不可欠であること、また、GDPだけでは測ることのできない、持続可能性と人間の幸福度を測る新たな指標の必要性を強調しました。


フレーム
第2セッションの様子
具体的事例紹介に注目が集まりました
画像4

第2セッションではドイツ・日本(RISTEX)・英国から、大学・研究機関・ファンディング・エージェンシーが行っている社会的課題の解決の手法について、ベストプラクティスが実際に紹介され、実装に向けた厳しいマネージメントを行っているケーススタディや実際にインセンティブを導入し、政策提言を行っているユニークな事例紹介などが行われ、個々あるいは組織的な働きを持つソーシャル・アントレプレナーの役割などについて議論が行われました。


フレーム
ソーシャルイノベーションへの
熱意にあふれたコメントが続きました
画像6

今後この取り組みを継続して行う上で、さらなる個々の実例を積み重ね、分析・評価をし、体系化すること、地域課題と大規模課題を類型化すること、ソーシャルイノベーションはそれぞれの局面において異なる段階にあること、またエビデンスの重要性も認識されました。このワークショップ参加者の熱意や各プレゼンターの発表内容、コメントの質の高さが社会的課題解決への関心の高さならびに難題を乗り越える意志に反映されています。


フレーム
ワークショップの関係者全員で
画像8

フレーム
セッション前のひととき
渡辺格・文部科学省科学技術・学術政策局次長(右)と
有本建男・社会技術研究開発センター長(中央)
画像3

第1回ワークショップの成果をもとに、今回の第2回ワークショップでは、経済危機後の新しい価値観のなかで次世代の希望にもつながる社会的課題を解決するイノベーションの重要な役割を踏まえ、政策立案に結びつく今後のソーシャル・アントレプレナー(社会起業家)の役割や政府のあり方などについて、精力的な議論が行われました。
世界各国のさまざまなレベル・セクターによる、さまざまな社会問題解決のためのユニークかつ具体的な手法やモデルケースが紹介され、ネットワークの構築やさらなる意見交換が行われると同時に、問題意識の共有および活発な議論が繰り広げられました。
(詳細についてはアジェンダ(PDF:226KB)をご参照ください)


フレーム
全体議長を務めた原山優子・東北大学大学院教授
(右から2人目)
画像2

オープニングセッションでは、第1回ワークショップを振り返るとともに、社会課題解決のためには、ミクロ、メソ、マクロ全てのレベルでイノベーションが必須であること、未来を見据え社会課題解決に資するイノベーションのためには、政策に社会的側面を織り込む重要性も認識されました。

第1セッションでは、新しい価値観を包括する上で前向きな目に見える取り組み、さまざまなステークホルダーの関与、直面している新しい局面への新しいアプローチが必要であることなどが議論されました。


フレーム
RISTEXの活動を発表する
重藤さわ子・アソシエイトフェロー(中央)と
川原武裕・企画運営室 主査(左)
画像5

第3セッションではステークホルダー間でのパートナーシップの構築において新たな可能性、さまざまなステークホルダーの関与、協働の場をイノベーティブに設計するユニークな手法が繰り広げられました。

第4セッションでは活発なパネルディスカッションを行い、実際の現場にいる学術・NGO・政府・社会学者・国際機関それぞれのセクターの視点から、社会的課題解決における課題点を発信し、参加者間での闊達な議論が行われました。


フレーム
レセプションでのひとこま
ソーシャルイノベーションへの熱意に乾杯!
画像1

同時に、この一連のワークショップがソーシャルイノベーションの新しい局面への最初の重要な一歩になったこと、さらなる社会課題解決に引き続き取り組むこと、経済危機後のイノベーションは過去幾たびも経験しているため必ず成し遂げられることを全員で再認識しました。

この一連のワークショップで得られた成果として、参加者一同より賛同をいただいたステートメント(PDF:164KB)の内容が来春2010年OECD閣僚理事会にて発表されるイノベーション戦略にインプットされました。また日本の第4期科学技術基本計画にも反映されることを期待しています。



関連情報のお知らせ

今回のワークショップのアジェンダ(PDF:226KB)

今回のワークショップのステートメント(PDF:164KB)

本ワークショップの配布資料など詳細な情報については、以下OECDサイト(英語版)をご覧ください。
[当該OECDのワークショップ情報サイト(英語)]