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  3. 多様化する嗜癖・嗜虐行動からの回復を支援するネットワークの構築
写真:石塚 伸一

石塚 伸一 龍谷大学
法学部 教授

概要

アルコール・薬物への依存、DVや虐待、性暴力、ギャンブル、万引き・摂食障害、インターネット依存などの多様な嗜癖(しへき)・嗜虐(しぎゃく)行動(アディクション)の背景要因には「孤立」があり、これに対応するには、「公」と「私」の領域を超える支援モデルが不可欠です。しかし、現状では、公的支援間の分断のみならず、処罰への過信、自己責任論による当事者の孤立、家族への責任転嫁などが蔓延し、適切な支援が行なわれていません。
本プロジェクトは、多様化する嗜癖・嗜虐行動を新たな視座の下で再定義し、「アディクション円卓会議」(“えんたく”)により、当事者と支援者の間に課題をめぐる関係性を醸成することで、「公」と「私」の間にあらたな公共圏として「ゆるやかなネットワーク」の構築を目指します。

図

研究開発の関与者

  • 龍谷大学 矯正・保護総合センター
  • 立命館大学 人間科学研究所
  • 大阪市 子ども相談センター
  • 一般社団法人 もふもふネット
  • 特定非営利活動法人 日本ダルク
  • 特定非営利活動法人 リカバリー・サポート・ネットワーク
  • 特定非営利活動法人 ダルク女性ハウス

覚醒剤事犯の再犯者率

グラフ
出典
警察庁刑事局組織犯罪対策部 薬物銃器対策課 平成26年の薬物・銃器情勢(平成27年3月確定値)
グラフの解説
覚醒剤事犯の検挙人員は、平成12(2000)年頃から漸減傾向にあるが、再犯率(検挙者に占める再犯者の割合)は、依然として、60%前後を推移している。

プロジェクトが考える「新しい公/私空間」とは

嗜癖・嗜虐行動(アディクション)の背景には「孤立」という共通の背景があります。たしかに、政府も、薬物依存、DVや虐待、性暴力などの個別問題については規制対策を進めています。最近では、ギャンブル、万引き、摂食障害、ネット、携帯電話などへの依存も、アディクションとしての対応が必要なのではないかといわれています。しかし、当事者やその家族にとっては、「公」の機関の閾(しきい)は高く、助けを求めるには勇気と決心が必要です。アディクションは「悪いこと(犯罪)」「恥ずかしいこと(逸脱)」というレッテルが張られるので、当事者は孤立し、「私」の中に閉じこもっていきます。
わたしたちは、このような「公/私」の硬直した関係を打ち破り、当事者と支援者の「ゆるやかなネットワーク」を構築することで、嗜癖・嗜虐行動をめぐる「新たな公共圏」を創り出そうとしています。

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