「犯罪からの子どもの安全」研究開発領域の成果

「犯罪からの子どもの安全」研究開発領域

【研究開発実施期間】平成19年度~平成24年度の6年間

 少子化が進む中で、犯罪から子どもを守ることは重要な社会問題です。保護者や警察だけの問題でないことは、虐待やいじめによる自殺の問題などをみても明らかです。犯罪から子どもを守る上では、「子どもは社会全体で守り育むべき存在である」、「様々な取組みを被害の予防に結びつける」、「人、モノ、社会システムの観点から考える」、この3点が重要であると考えます。この研究開発領域は平成25年3月で活動を終了しました。

研究開発領域成果についてのまとめと提言

犯罪子ども提言

 この領域は、科学的根拠に基づく犯罪予防の取組みを日本で認知・普及し、子どもへの犯罪リスクを低減し未然に被害から守るため、科学的な知見や手法と、地域の実情に合った具体的成果を創出すること、そのために地域、学校、行政などの現場で問題に取り組む人々と研究者が協働するネットワークを構築することという3つの目標を掲げ、6年にわたり13のプロジェクトを推進しました。またシンポジウムなどを通じて、個々のプロジェクトの取組みや成果に止まらない問題提起を行いました。そしてその総括として、個々の研究者や一助成機関の取組みでは解決できない課題を「犯罪から子どもを守る7つの提言」としてまとめました。

領域Webサイトで成果を詳しく発信しています

 「犯罪から子どもを守る7つの提言」全文や13のプロジェクト成果など、領域の成果を分かりやすくまとめました。各プロジェクトの具体的な成果に加え、実際に成果を活用いただいた協働者の声や、犯罪予防の考え方なども紹介しています。また、プロジェクト独自のWebサイトへのリンクもありますので、是非、ご覧下さい。

「犯罪からの子どもの安全」のページ

研究開発プロジェクトの成果紹介

子どもが犯罪にあう危険の実態を調べ、効果的で無理なく続けられる防犯活動につなげる

研究開発プロジェクト名:「子どもの被害の測定と防犯活動の実証的基盤の確立」
研究代表者:原田 豊 (科学警察研究所 部長) ※終了当時
研究開発期間:平成19年度~平成23年度

 このプロジェクトは、ヒヤリ・ハット事象を含めた子どもの被害と日常行動を時間的・空間的に測定し、被害の情勢や地域社会・住民の特性に即した対策を立案・評価する手法を開発しました。被害情報を収集し、共有するためのポータルサイトを構築。地域でワークショップを開催し防犯活動の改善につながった事例も報告され、平成23年度版の科学技術白書でも紹介されました。

GIS参考画像
被害リスクの把握のため、(1)子どもの被害と(2)日常行動を測る2つの「ものさし」を開発。
データをGIS上で重ね合わせると、見守るべき時間と場所が明らかになる

研究開発実施終了報告書(PDF: 4,287KB)

「犯罪からの子どもの安全」領域Webサイト 原田PJの成果紹介ページ

子どもを犯罪から守り、事件の再発を防ぐために、科学的根拠に基づく面接法を日本に導入し、普及につとめる

研究開発プロジェクト名:「犯罪から子どもを守る司法面接法の開発と訓練」
研究代表者:仲 真紀子 (北海道大学文学研究科 教授)※終了当時
研究開発期間:平成20年度~平成24年度

 子どもが犯罪被害にあったり目撃した時に子どもからどのように証言を得るかは、安全確保や再発予防の鍵となりますが、誘導することなく事実を聞き出すことは大変難しいものです。そこで、このプロジェクトでは、自由な報告をうながし、面接を録音・録画することで、子どもにできるだけ負担をかけず、裁判などの司法場面でも用いることのできる質の高い情報を聞き出す面接法の開発と訓練を行いました。

研修風景画像
司法面接法の研修風景

研究風景画像
子どもの協力者との面接法の研究

研究開発実施終了報告書(PDF: 5,569 KB)

「犯罪からの子どもの安全」領域Webサイト 仲PJの成果紹介ページ

ネットを介したトラブルから、地域ぐるみで子どもを守る

研究開発プロジェクト名:「子どものネット遊び場の危険回避、予防システムの開発」
研究代表者:下田 太一 (特定非営利活動法人青少年メディア研究協会 理事長)※終了当時
研究開発期間:平成20年度~平成24年度

 近年、子どもがインターネットを通じてトラブルに巻き込まれるケースが増え、問題になっています。そこでこのプロジェクトでは、学校・保護者・市民ボランティアが協働して子どものネット利用を見守り、学校での生徒指導を支援する地域協働型ネットパトロールのモデルとシステムを開発しました。領域と協働して個人情報保護など法的側面からも検討し、運用ガイドラインも作成しました。

ネットの見守り活動と情報提供の流れ解説図
ネットの見守り活動と情報提供の流れ

養成講座風景画像
高崎市見守りサポーター養成講座

研究開発実施終了報告書(PDF: 2,136KB)

「犯罪からの子どもの安全」領域Webサイト 下田PJの成果紹介ページ

事故による怪我か虐待による怪我か、科学的な根拠で判断をサポートする技術を開発

研究開発プロジェクト名:「虐待など意図的傷害予防のための情報収集技術及び活用技術」
研究代表者:研究代表者:山中 龍宏 ((独)産業技術総合研究所デジタルヒューマン工学センター チーム長)※終了当時
研究開発期間:平成20年度~平成24年度

 このプロジェクトは、児童相談所や病院などにおいて、虐待などの意図的な傷害か不慮の傷害かを判別するための支援ツールを開発しました。ダミーを用いた傷害の発生状況を再現するシミュレーション技術や、身体地図を用いた傷害データの収集システムの構築と虐待判別支援ソフトウェアを開発。実際に警察への捜査協力なども行いました。

生体力学シミュレーション参考画像
加害行為時や不慮の事故時の生体力学シミュレーション技術:
転落姿勢のシミュレーション(上)、
頭部にかかる衝撃のシミュレーション(下)

障害データベース参考画像
傷害データベースの開発:
虐待が疑われるケースでの傷害部位(左)、
不慮の事故による傷害部位(右)

研究開発実施終了報告書(PDF: 2,421KB)

「犯罪からの子どもの安全」領域Webサイト 山中PJの成果紹介ページ