子どもの外国語(非母語)習得における脳のメカニズムを科学的に検証

「脳科学と社会」研究開発領域

研究開発プロジェクト名「言語の発達・脳の成長・言語教育に関する統合的研究」
研究代表者:萩原裕子(首都大学東京大学院人文科学研究科 教授) ※終了当時

研究開発期間:平成16年度~平成21年度


小学生の脳波:1年目の英語テストの成績によりグループを3つに分けて、それぞれのグループの1年目と3年目の脳反応の変化をみました。あまり上達しないグループに比べて、上達したグループでは規則的な変化が見られ、英語が上達すればするほど、母語の脳反応に似たパターンを示すことが分かりました。

研究の概要:
 母語獲得、第二言語学習(英語学習)にかかわる脳内神経基盤の解明を目指し、世界初となる「小学生大規模コホート調査」を実施しました。ヒトの脳はどのように言葉を処理しているのか、言葉の発達と脳の成長とはいかなる関係があるのか、母語と非母語では脳内処理が異なるのか、英語学習は早く始めた方がよいのかなどの問題を科学的に検証しました。

研究の成果:
 地方自治体の教育委員会と連携して、小学生の英語活動の効果を調べるために、約400名を対象に3年間にわたる追跡調査を行いました。脳科学の視点から、子どもの母語獲得のメカニズムや、非母語習得のメカニズムについて興味深いデータが得られました。例えば、英語は上達するにつれて母語の脳反応に似てくること、知っている単語は左脳で、あまり知らない単語は右脳で処理していること、小学生では単語の処理スピードが上がる時期があること、などが分かりました。
 今後、子どもの健やかな発達を支えるための教育環境を考える上での基礎情報として広く役立つことが期待されます。

現在の状況:
 英語が上手になるためには、学び始める年齢と費やした時間数のどちらが大切か、男の子と女の子では外国語の学び方に違いがあるのか、など様々な角度から分析を進めています。

平成23年1月、この成果が国際科学誌 「Neuropsychologia (ニューロサイコロジア)」のオンライン版で公開されました。
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平成23年2月、この成果が米国科学誌「Cerebral Cortex (大脳皮質)」のオンライン版で公開されました。
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