小中学生の学習意欲と疲労の脳内機序の関係を科学的に明らかにし、学習意欲向上のための対策や学習意欲低下の早期発見・早期予防の対策を提言

「脳科学と社会」研究開発領域

研究開発プロジェクト名「非侵襲的脳機能計測を用いた意欲の脳内機序と学習効率に関するコホート研究」
研究代表者:渡辺恭良(独立行政法人理化学研究所 分子イメージング科学研究センター センター長 大阪市立大学大学院医学研究科 教授)※終了当時

研究開発期間:平成16年度~平成21年度


「非侵襲的脳機能計測を用いた意欲の脳内機序と学習効率に関するコホート研究」の研究成果

研究の概要:
 学習の効率には意欲が反映され、疲労度と表裏一体に意欲低下が起こります。また、完成の喜びや報酬(良い成績、高い評価)の期待により疲労感が修飾を受けて意欲が勝る局面があることも事実です。高い効率の学習の模索、学習障害の機序解明には、この意欲-疲労-報酬-学習の4態問題は避けて通れません。
 この研究開発プロジェクトは、fMRI等の非侵襲的脳機能計測法を駆使して、学習意欲の脳機構、学習・知的作業による疲労と意欲の同時計測、学習成立の脳機構と意欲との関連、学習意欲障害に関する遺伝的・環境的要因の研究を追跡的研究手法と組み合わせて行い、実際の学習現場における種々の学習意欲向上プログラムの開発を目指しました。

研究の成果:
 「学習意欲低下」という社会的問題に、アンケート調査、行動計測、脳機能イメージングなどの手法を活用して取り組み、学習意欲低下児の評価・スクリーニング法の確立、学習意欲に関連する報酬系の脳座位の特定、注意配分機能の重要性の発見、生活習慣(特に睡眠・朝食)と家族関係、学習意欲低下の予測因子としての中一ギャップの存在、さらにこれらを総合した学習意欲低下予防策の提言などを行いました。

現在の状況:
 この研究の成果をより多くの方々に知っていただくため、教育現場での講演、学会、Webなどでの活動などを積極的に行うとともに、「学習意欲低下」早期発見・予防のための大規模実証研究の提案を進めています。また一方で、「学習意欲」の脳科学をさらに深く探究しています。