ページトップ
本文

第15回SciREXセミナー(2016年2月29日)開催報告

 第15回SciREXセミナー(文部科学省・GRIPS SciREXセンター・JST RISTEX共催)が2016年2月29日に開催されました(於:虎ノ門・第1オカモトヤビル 4階会議室)。

 第15回セミナーは『リソースロジスティクスの可視化に立脚したイノベーション戦略策定に向けて』と題して、平成24年度採択プロジェクト「リソースロジスティクスの可視化に立脚したイノベーション戦略策定支援」の松八重一代氏(東北大学大学院工学研究科 准教授/プロジェクト代表)より、研究成果を発表しました。コメンテーターとして東谷泰明氏(本田技研工業(株)経営企画部環境安全企画室 主任)をお迎えし、また、経済産業省、文部科学省等の政策担当者や、シンクタンク、ファンディング機関、公的・民間・大学等の研究者、ジャーナリストなど30名もの多様な参加者を得て、ディスカッションを行いました。

 戦略的な資源政策立案などに役立てることを目指してプロジェクトが開発してきた「リソースロジスティクス」可視化手法とは、世界全体の資源の流れが分かるだけでなく、特定の国・地域の資源フローの影響度や、資源調達等の背景にあるサプライチェーンリスクまで含めて分析・可視化することができるデータ・プラットフォームです。
 ニッケル・リンの事例データに基づく報告に続いて、産業界の視点から、各業界や企業が個々にできることには限界があり、資源調達等の合理的な意思決定や動脈・静脈産業の連携にも役立つ、複合的なデータ・プラットフォームへの高い関心が示されました。また、国の政策の立場から、マテリアルフローの最適化は国際的な重要課題であること、プライマリーバランスの観点からも、多様なデータの統合化と精緻な地理的分析とを融合させたツールの開発は急務である、といった指摘もありました。一方で、大学等の研究者はデータベースの開発には取り組めても、継続的な運用や事業化にはなかなか関われない、といった悩みも吐露されるなど、率直な議論が展開されました。
 サプライチェーンリスクの分析などセンシティブな一面もありますが、今すぐに使えるが眠っている公共データはたくさんあり、それらを統合するだけでも意義があること、何よりも、問題に対して、省庁や業界、学界を超えてオープンに取り組む姿勢が重要である、との共通認識が確認されました。今後さらに、多くの資源やユーザーニーズに対応するデータ・プラットフォームへと拡張し、様々な場面で活用されることが期待されます。

 セミナーの内容について、詳しくはこちらをご覧ください。
 政策研究大学院大学 科学技術イノベーション政策研究センター(外部サイト)


講師の松八重一代氏(東北大学大学院工学研究科 准教授:左)とコメンテーターの東谷泰明氏(本田技研工業(株)経営企画部環境安全企画室 主任:右)

プレゼンテーションの様子。セミナー終了後の時間まで、ネットワーキングや意見交換で盛り上がりました。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加